LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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自民党惨敗で選挙戦が終わった。蓋を開けてみれば、民主党の獲得議席数は事前のマスコミ予想とほぼ同じ308議席。有権者の鬱積した怒りが、マグマのように噴出した選挙戦であった。これは無血革命だったと言ってもいいのではないだろうか?

民主党のどなたかの勝利宣言で、「自民党は、最後まで国民の痛みが解らなかった」と語っておられた人がいたのだが、自分も全くその通りだと思う。だいたい議員になるような人は、お金持ちだからね。マクロの失業率がどうこう言ったところで、「ふーん」と思うだけで、「痛いなー」とはたぶん感じないだろうと思う。

この庶民感覚とのズレぶりを如実に示していたのが、自民党の選挙戦術であった。今回のシナリオはいったい誰が描いたのだろうか? とても興味がある。中身は別として、戦術だけをとってみてもあまりにもヒド過ぎた。2005年9月の郵政選挙のときのプランナーは世耕弘成氏で、世耕氏はこの時、勝利後に「セオリーどおり」との言葉を発したのだが、だとすれば今回は世耕氏ではあるまい。お粗末過ぎるから。

呆れるほどのズレは、「民主党政権になったら『社会主義』になるぞ」という脅しを、戦略の主柱に立てたことである。バカバカしいにも程がある。民主党には確かに旧社会党員が含まれているが、幹部は自民党の旧田中派だし、前原誠司氏という自民党よりもずっと右といわれる人だっている。別に『社会主義』体制を狙っているわけでないことは明らかだ。にも関わらず、こんな古びた争点を持ち出して違いを強調したら、自民党の手詰まり感が一層印象付けられるだけである。

ネットのアニメCMや麻生さんの絶叫テレビCMなどは、見苦しいの一言。加えて街頭演説での、麻生さんや公明党太田さんが発するネガティブキャンペーンは、決定的にマズかった。相手をけなせば自分が浮上すると思うのは、最低の浅墓さ。果たしてそんな人物をリーダーとして尊敬できるものだろうか。あなたはできますか? 有権者の多くは、その醜い姿に、さらに反感を募らせたに違いない。

結局、そういう運命だったのだ。麻生さんは、小泉さんが言った「自民党をぶっこわす」の総仕上げをするべく必然的に登場した人物であり、その意味では立派に役目を果たしたのだと言える。これ以上ない惨敗によって。

さて7月末の失業率が、前月比0.3ポイントのプラスとなり過去最悪の5.7%を記録した。また有効求人倍率も0.42とこれまた過去最悪となった。完全失業者の数は359万人に上る。が、この他に“隠れ失業者”といわれる「雇用調整助成金」の申請者数が238万人もいることを忘れてはならない。

選挙戦で麻生さんは、4~6月期の実質経済成長率が前期比+0.9%であったことを受けて「景気対策」の成果を盛んに強調していたのだが、景気対策後、雇用状況は更に悪化しているのである。本ブログ8月3日の『これでも麻生自民に未来を託すか?』において、<「企業景気」と「庶民景気」とは、明確に区別しなければならない>と書いたのだが、それが現実に、このように表れている。

麻生自民は、「先ず(企業の)景気対策」だという。景気が上れば雇用が増える、ともっともらしいことを説明するのだが、それは高度経済成長時代のことで、今のグローバル経済のもとでは、そんなことはあり得ない。なぜなら、海を越えて、つまり輸送コストを掛けてもなお価格競争に勝てるということは、コストが不当に低く抑えられているからに他ならない。早い話が人件費の抑制である。

今の「企業景気」は、「人件費の抑制」によって無理やりひねり出されているものだ。だから、仮に雇用が増えたとしても「調整弁としての非正規雇用者」が多少増えるだけなのである。今の企業に、長期的戦略が描ける余裕など殆どない。だから、短期的な注射(=景気対策)を打っても、その場しのぎの「成長」に吸収されてしまって、雇用改善には回らないのである。

この短期的な注射を打ち続けて、みかけだけの「成長」を作っていたのが、小渕内閣以降の自民党政治なのである。だから、あれよあれよという間に、先進国中ダントツの借金財政国家が作られてしまったのだ。(余談であるが、政府関係が握っているデータの取得は非常にやっかいだ。このブログで掲載したグラフ一つ作るにも、何日も調べて調べて整理してやっと作っている。どうも都合の悪いデータは、なるべく見えにくくしているとしか思えない)

対する民主党は、岡田さんも藤井裕久さんも、雇用の安定化と内需拡大を語っていた。このメカニズムの説明は、自分の考えとも一致している。ところがテレビを観ていると、突っ込みを入れるアナウンサーというかキャスターというか、こういう人たちがすでに「洗脳」されていて、二人の話を全く理解していないのである。

さすがに、「企業景気が上っても雇用は増えない」ということは、(メカニズムは解らなくとも)現象としては解ってきたようだが、今もって、GDPを支えているのは大企業であり(何しろコマーシャルで多く目にするので)輸出産業であるという思い込みや、「保護貿易主義」はいけない、といった新自由主義者が撒き散らした「洗脳」教育からは抜け出てはいない。

私は、作家の村上龍さんという人を、現代社会の分析に掛けては超一流と評価し尊敬もしているのだが、その村上龍さんでさえ、「保護貿易主義」は戦争を誘発する危険がある、と太平洋戦争の開戦を引き合いに出して言っているのである。(日本はいわゆるABCD包囲網の封鎖にあい、資源確保のために戦争を開始した。これは事実であるが、今とは状況が違うと思う)

「保護貿易主義」はいけない、という人に問う。なぜいけないのか? そのメカニズムをきちんと説明して欲しい。
もし「戦争になるから」というのであるなら、第二次世界大戦以降、「保護貿易主義」が原因で起こった戦争を挙げて欲しい。

第二次世界大戦以降もアメリカ合衆国はずっと「戦争」をし続けているが、それらはみな逆に「開国」を迫ったがゆえの戦争だったではないか? ペリー来航だって、開国を迫った砲艦外交だった。アメリカの本音と本質はそこにある。市場を開放させて他国の富を奪いたいのだ。「保護貿易主義」はいけないという理屈は、戦争手段によらずそれを達成するための、実は「洗脳」教育なのである。

今の世界を見よ。世界中で貧困者と失業者が増大し、自国内の産業はもちろんのこと、生活文化までもが、グローバリズムによって破壊されてきているではないか。
それを仕掛けている当のアメリカでさえ、一部の大金持ちがいる一方、国内には貧困者を多数抱えている。自民党が長く推進してきたアメリカ追随型の政治は、アメリカに遅れること20年、見事に、借金大国、格差社会、犯罪多発、というアメリカ型社会を日本に現出させたのだ。おめでとう。それによって利益を得た関係各位のご努力に頭を下げる。

ハッキリ言う。
諸悪の根源は、「自由貿易主義」と「拡張主義」の結びつき、すなわち「グローバリズム」にある。
これらを「よし」とする「洗脳」状態からは、もういい加減脱却しなければならない。
「グローバリズム」は、ごく一部の人々に莫大な利益を与える反面、多くの人々から労働力や金を搾取し、貧困に突き落とす。

それらを推進しようとする強欲な投資家や企業や、それらと結託した政治家や知識人の言いなりになってはならないのだ。
民主党政権の誕生が、その転換点になってくれればと、切に願うものである。
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