LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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7月31日、6月の「経済統計」が発表された。それによれば、完全失業率は5.4%。過去最悪の5.5%にあと0.1ポイントと迫る勢いだ。有効求人倍率も0.43と過去最悪を更新した。よく見ていただきたい。これが、麻生政権の「景気対策」の結果なのである。

有効求人倍率

ところが、これは今の実態を正しく反映してはおらず、雇用情勢は数字よりもはるかに深刻だという説があるのだ。企業が一時休業などの措置によって従業員解雇を思いとどまった場合に、国が給付する「雇用調整助成金」という制度がある。この申請者数が、直近で238万人に膨れ上がっているのである。

これは“隠れ失業者”と呼ばれ、失業の顕在化を食い止めているに過ぎず、完全失業者と合わせた数字は6月度で合計586万人にも上る。これを失業率に換算すると8.8%となり、アメリカの6月の9.5%に迫る高水準となる。麻生政権の「景気対策」なるものが、まったく功を奏していないことがこれでハッキリ解るだろう。

雇用助成金申請者

リーマンブラザーズの破綻が昨年の9月15日、麻生政権の誕生が同月22日。総裁になったタイミングがいかにも悪かったとはいえ、麻生政権は初動に完全に失敗したのである。これで、麻生首相が繰り返し言っていた「景気回復最優先」の正体が、明らかになったであろう。

もし、輸出不振が、不況の最大の要因であれば、日本よりも輸出依存度の高い中国はもっと大打撃を受けていた筈である。(実際、リーマンショック直後では、そのように予測されていた)ところが、中国経済は早くも回復しているという。なぜなら、(ことの是非はひとまず置き)旺盛な消費意欲で、富裕層中心の内需が拡大しているからだ。

麻生自民党は、経済政策を完全に失敗しているのである。
小泉政権での景気浮揚は、雇用カット、賃金抑制による見せかけの「好景気」だった。自民党は経団連とともに、そうしたシナリオを世の中に定着させてしまった。だから、麻生自民が「景気回復最優先」を叫べば叫ぶほど、更なる雇用カットが行なわれていくのは自明の理なのである。

求職理由別

聞けば、今度の選挙における有権者の関心事は、やはり「景気をどうにかしてくれ」だと言う。しかし、この言葉の背後にあるカラクリを(「郵政民営化」と「改革」の時の言葉と同じように)よくチェックしなくてはならない。自民党も、政府も、マスコミも、決して真実は伝えない。我々は「景気」の言葉に騙されやすいが、実は「企業景気」「庶民景気」とを、明確に区別しなければならないのだ。

高度成長期のころは、この両者は一致していた。しかし今は「企業景気」と「庶民景気」は、必ずしもリンクしない。政府は、「企業景気」が上がらないから雇用が促進されない、と説明する。そこでまた「景気回復最優先」を叫ぶというドツボに陥っている。がしかし、それは因果関係が逆なのである。最近の報道では「企業が最悪期を脱した」と言うことが多くなっている。がしかし、実態は今まで見てきたように、雇用の悪化はさらに進んでいるのである。政府もマスコミも、そのことを意図的に伝えないようにしているのだ。

日本の景気の大部分を支えているのは「内需」である。「内需」とは、国民の消費である。この消費を決定するのは、可処分所得である。可処分所得を決定づけるのは賃金である。賃金を保証するのは安定的な雇用である。ゆえに「雇用対策」こそが、「庶民景気」につながり、「庶民景気」の上昇が「企業景気」の上昇につながるのだ。

それを、全く逆をやるから、いつまでも将来不安が拭えず、「景気」はさらに底を打つことになる。

最近NHKの番組で、北欧やドイツ、オランダなどの雇用政策を見る機会があったが、その手厚い保証と、失業後の求職プログラムの充実には目を見張るものがある。それと比べ、日本の今のひどさはなんだろう? 暗澹たる気持ちになる。

『ジャパン・アズ・No1』と言われた頃、日本はまだ終身雇用制を維持しており、社員を家族とみなす経営が主流だった。しかしそれでは来るグローバル競争には勝てないということで、雇用環境は、急速にアメリカナイズしていったのだ。しかしもうアメリカ追随はやめて、ヨーロッパを見習うようにしていくべきではないだろうか?

我々は、「北欧型の高福祉モデルでは税負担が大変だぞ」と絶えず脅されてきたのだが、本当にそうなんだろうか、という気が今している。というのも、NHKの番組を見る限り、庶民のそうした不満は聞こえないからだ。もちろん番組なので故意に編集しているということはあるだろうが、少なくとも、失業した人々が不安なく、ゆったりと生活を続けている姿には本当に驚かされる。

ここでもう一つ、データを見ていただこう。次は「公債発行額の推移」である。小渕内閣の時に急上昇しているのが解るであろう。この時も不況で、中小企業の倒産などが心配されていた。小渕内閣はケインズ理論そのままに、大規模な財政出動を行なった。このときに需要喚起策として実施されたのが、最低愚作「2千円札」と公明党発案の「地域振興券」であった。(う~ん、今とやること変わってませんな)

公債発行額推移

また、政府からのトップダウンだけではなく、民間からのボトムアップのアイデアも聞こうということで「経済戦略会議」なるものを召集し、緊急経済対策の提言を行なった。この時の委員が誰あろう、中谷巌氏、竹中平蔵氏であった。こうして経済学者による日本経済の破壊が始まったのだ。小渕内閣では、短期的には注射を打ち、長期的に財政健全化を図るとしていたのだが、グラフを見て解るように、その後、国の借金体質が定着してしまった。

公債残高の推移

こうして公債の発行残高が瞬く間に積み上がり、平成20年度には553兆円。一般会計税収の10年分にも膨れ上がったのだ。さらにこれに地方債などを合せると、2009年末には800兆円を超すと言われている。これらは、納税の先送りなのである。だとすれば、「高福祉社会は税負担が大きいぞ」という脅しは何なのか、ということにはならないか? どっちにしたって、税負担が重くなっているではないか。

債務残高の国際比較

日本の国内債務

麻生さんは、民主党案のマニュフェストを「財源の裏づけがない」と言って攻撃するのだが、これが私には解らないのである。鳩山さんは「財源のことを自民党にどうこう言われる筋合いはない!」と言ったが、鳩山さんとは別の意味で、全くそうだと思う。もし自民党政権が健全財政を貫いてきていたのなら「財源の裏づけがない」と言う資格はあるだろう。だが、借金で国を回しておいて、「財源の裏づけ」もクソもないもんだ、と私は思うのだが・・・。

さてここで強調しておきたいのは、小泉改革の規制緩和は、いわゆる「小さな政府」を目指していた筈だということ。民間で出来ることは民間に任せることで、国家の負担を減らすということになっていた筈だ。ところが逆に、以前にも増して「大きな政府」になっちゃってるじゃないか。これは一体どうしたものだろうか?

考えられるのは、役人が既得権益を手放さなかったからであろう。そこに経済対策と称する財政出動がずっと積み増しされてきているのだ。そして一度既成事実化した予算はもう減らさない。短期の注射であった筈の小渕政権時代のカンフル注射が、今もずっと続いているというのはそういうことに他ならない。

自民党は「将来の財源が足りない、財源が足りない」としきりに言うが、そこには何か根本的な誤謬があるような気がしてならない。経費は必ず増大する。だから財源確保のためには増税だ。というロジックを、今までの経緯から勝手に創り上げ、自分たちが強く思い込み、さらには国民にも思い込ませようとしているだけではないのか?

経費増大の前には、経済は必ずや成長しなければならない、という前提がある。さらにその前には、経済が成長すれば“幸福”が約束される、という時代錯誤の価値観が今なお抜きがたくある。しかしもはや経済は成長しないし、そんな幸福感はアナクロだ。だとすれば、経費は必ず増大する、という思い込みからも、いいかげん離れればいいじゃないか。と思う。

麻生自民党って本当にセンスがないなぁと思うのは、有権者が何を望んでいるのか全然解っていないことだ。民主党の揚げ足取りなんて、別に聞きたくはないんだよね。それを言えば言うほど下品な醜態にしか見えないというのに・・・。「責任とれる政党はどこか判断してください」と言ったって、その判断が、既に支持率14.4%に顕われているんだってこと、解らないのかな?
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