LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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4月27日から5月3日までの「週間視聴率トップ30」が発表された。首位はフジテレビ「ネプリーグ」の18.9%。ところがこの数字、驚くなかれ首位が18%台というのは史上初なのだそうだ。今年は3月30日から2週連続で首位が20%を割り込んだのだが、いくら連休が影響したとはいえ、18%台というのは、いよいよマスコミの終わりが来たという感じではなかろうか。

特にTBSの凋落はひどく、この4月の番組改編では大幅な編成替えを行ったが、トップ30に入った番組は2番組しかなく、看板のドラマも平均視聴率が1ケタ台と低迷。改編は大失敗だった、と言われている。しかし、そもそものテレビ離れの主因に「視聴率至上主義」があったというのに、その評価をやはり「視聴率」でしか計れないというのは、これはもはやテレビ界の病理である。

先日、芝居をやっている若手グループと一緒に酒を呑む機会があり、試しに「最近テレビ見てる?」と聞いてみた。しかし6人中で誰一人として「見てる」と答えた人は居なかった。どちらかというと、みんな「お笑い」が好きな人たちなのに、テレビの「お笑い」番組は見ていない。ではどこで見ているのか。これが、劇場やインターネットやDVDなのだ。

いつも思うのだが、テレビの製作者は何か大きな勘違いをしているのではなかろうか? いまテレビを比較的多く見ている層は、中高年や老人である。これら世代はテレビで育ってきたという刷り込みがある一方、新しいメディアへの対応は若者ほどにはできない。だから、現テレビの主たるユーザー層はこの人たちなのだ。その証拠に、テレビショッピングの対象商品は中高年向けのものが殆どではないか。

言うまでもなく、民放テレビは広告収入を収益源としている。それなのに、テレビを見ない、しかもお金を持っていない若者層をメインターゲットに「お笑い」番組ばかりを作って視聴率獲得競争に明け暮れているのは、どういうわけだろうか。全く解せない。これでは中高年や老人すらも、テレビから逃げ出して行ってしまうではないか。

MXテレビで、立川談志師匠が最近のテレビを形容して「旅とグルメとバカ芸人」と言っていた。さすが師匠。端的に捉えておられる。ところが今のテレビ製作者には、「旅とグルメとバカ芸人」を出しておきさえすれば視聴率が稼げる、という何か強固な思い込みのようなものがあるようだ。

これが今の視聴者感覚とはもう決定的にズレている。例の草なぎ剛クンの事件にしても、ワイドショーで「騒ぎすぎじゃないですか」とコメントしていながら、それと同じ局の別の番組でもの凄く騒いでいるのだ。もうこうしたテレビ独特の仕掛けというのは、視聴者にバレていると思うのだが。

歌手の泉谷しげるさんが5月3日、SaaS型動画配信サービスの「ビムーブTV」を使い『泉谷しげるのコラコラ放送局』を開局した。
http://www.korakora.tv/
この記者会見で、泉谷さんは<既存のテレビはすぐに仕掛けを考えちゃう。たとえば門仲を撮ったとしても、もっと面白い店はないかとか、どうしても刺激的なことを求める。そうじゃなくて俺はまんまの景色を見せたいんだ>ということを言っていた。この感覚は非常によく解る。

また、刺激性ばかりを追いかけるニュース報道のあり方にも疑問を呈している。おそらく、同じように感じている人は多いのではないだろうか。
さて、『泉谷しげるのコラコラ放送局』をさっそく観てみたが、画質が格段に進歩していることには驚いた。今後こうした放送局が急激に増えていくだろう。もしかしたら、それによって今の民放テレビ局は息の根を止められる事態になるやもしれない。

おそらく最も打撃を受けるのはキー局であろう。キー局から系列の地方局に番組を流すという構造は、近い将来、成り立たなくなるであろう。在京キー局が主要な番組の作り手であった時代は終わり、逆に地方の人気番組を取り上げて全国に配信するという事態になっていくであろう。その兆しは既に現れてきている。

こうした変化の方向は実は単純で、要するに「商業の変化」と同じ構造を持っているのだ。
第一の変化は「マス商品の価値低下」である。(マイナーにこそ価値がある)
第二の変化は「メーカー→流通→消費者という流れの逆転」である。(客の側が選びに行く)

これがテレビにおいては、
第一の変化が、「キー局制作番組の価値低下」という現象となっており、
第二の変化が、「インターネットTVへの移行」という現象を加速させているのだ。

もうこの変化の流れは、どうあがいても止めることはできない。
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