LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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知の巨人1
左:ポール・クルーグマン教授  右:ジョセフ・スティグリッツ教授

8月25日、NHKBSで『知の巨人・世界経済再生への提言』という番組が放送された。
プリンストン大学のポール・クルーグマン教授と、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授という、共にノーベル賞を受賞した経済学者が「世界経済再生への提言」を行うというのが番組の主旨である。これを録画していたので、検証のために改めて見てみたのである。


最初に見た時に、「しょーもない番組だなぁ」と落胆したのだが、改めて見て、経済学者っていったい何の役に立っているんだと、日頃の疑問が膨らんだだけなのであった。
これでは「知の巨人」ならぬ「痴の虚人」ではないか。


ポール・クルーグマンという巨人が言うには、世界経済の危機の本質は、
「リーダーがいないこと」
だそうだ。


この人が唱える経済再生策は、もっぱら「巨額の財政出動による景気刺激と、大規模な金融緩和策」というもので、番組中ずーっとこればっかり言っている。
でもこれって、ケインズ理論を取り入れて成功したっていう「ニューディール政策」と、結局同じこと言っているだけなんじゃないでしょうか?


だとしたら「そんなこたぁ、解ってるよ。でも今は公共投資をしても、金融緩和をしても、景気が回復しないからみんな困っているんじゃないか」って言いたくなりません?
それとも私の認識が間違っているのかな? ポール・クルーグマン教授はもっと高尚なことを言っているのだろうか?


日本なんて、小渕さんが景気刺激のために赤字国債を発行したときには、「私は借金王と言われるかも知れない」って、少し恥じていたんだよね。
だけど一度堰が切れると、後の首相は借金しまくり。それが積もり積もって今では1000兆円。もはや誰も恥じ入る人もなく、毎年「赤字国債発行法案」なる特例法を成立させて借金を増大させている。


それでも景気は回復しない。金利だって実質「0」だ。
これ以上、どう「巨額の財政出動による景気刺激と、大規模な金融緩和」をやればいいんでしょうねぇ?
でもポール・クルーグマン教授は、まだまだ中途半端だと言う。もっとやれる筈だと言う。
そこで、これをやり切る「リーダーがいない」と言っているわけ。


でも、今じゃどの国も借金まみれになっているのに、財政出動の金なんてどこにあるの? また更に借金重ねなきゃならないじゃない?
(奇策として、マイナス金利という考えもあるらしい。要するに、銀行に預金するとどんどん目減りしちゃう。だから使った方が得だよ、という考え方。)


でもポール・クルーグマン教授はこう言うの。
「日銀がもっと国債を買って、物価上昇率を3とか4%にすればいい」
要するに、借金を気にせずお札をじゃんじゃん刷って市中にバラ撒けと。それで、
「やってみる価値はある。私が日銀総裁ならやる!」って断言する。(ほんとかよ?)
そして「冗談だが、エイリアンが襲って来ると言いふらせばいい」とまで言うんだ。(つまり、公共投資の目的なんてどうでもいいんであって、とにかく金をバラ撒けと)


その結果、「経済成長とインフレによって、政府の債務も目減りする筈だ」だってさ。
でもさ、これって、5代将軍綱吉の時代に行われたという「貨幣改鋳」と同じことでしょう? つまり水増しすることで、貨幣の価値を落として行くという。江戸庶民はそのとき狂乱物価で苦しんだんだよね。
確かにハイパーインフレになれば、国の借金は目減りするでしょうよ。でも1000兆円をチャラにするにはどんだけインフレにすればいいの? 3とか4%で済むの?


あたしが呆れたのは、インタビューワーが終盤「日本経済の再生にとって必要なことは何でしょうか?」と聞いたときの答え。
「必要なことは、物価上昇に伴う経済成長だと思います」だってさ。
(だから〜、経済成長させる手段が行き詰まっているから、知の巨人である先生に訊いているんじゃありませんか! プンプン!)


これがノーベル賞経済学者の実力というものなのでしょうかねぇ?


一方のジョセフ・スティグリッツ教授はまだマシ。
あたしは、この先生が話すときに、時々ニヤッとするのが可愛くて好きなんですけどね。


ジョセフ・スティグリッツ教授が指摘する世界経済の危機の本質は、
「行き過ぎた金融緩和策と市場自由化によって、市場に不安定な状況が生まれ、それが経済格差をもたらした」「状況が根本的に変わっていることを認識し、それに適応することが求められていたのに、適応するために何が必要かさえ、把握できていなかった」「さらに、金融市場は己を律することが出来るという認識も誤りだった」
だと言う。
ポール・クルーグマン教授とは違って、これは「その通り」と思う。


「状況が根本的に変わっている」というのは、きっと宮崎義一氏言うところの『複合不況』と同じことを指しているんでしょうね。
要するに「実需」の経済から「金融」中心の経済に変わってしまったと。そのときに、政治がその暴走を許してしまった。そこに根本的な問題があったのだと。


ジョセフ・スティグリッツ教授の方がまだマシ(いやずっとマシ)だと思うのは、この先生は、「消費縮小」の原因を「格差拡大」に置いていること。
こういうことを言う経済学者って、案外少ない。ポール・クルーグマン教授のように、大抵はマクロのことばっかり言っていて、そこにミクロを絡めようとしないのね。


「経済学は心理学だ」と言ったのはセブンイレブンの鈴木敏文氏なんですが、私はその通りと思う。(鈴木敏文氏の「思想」は嫌いですがネ)消費というのは、個人レベルでは心理学です。それが集まってマクロを構成している。でもどういうわけだか、経済学者はみんなそこを頬被りしてしまう。買い物したことないのかな?


「格差拡大」が「消費縮小」をもたらすというのはこういうことです。
天秤計りを思い浮かべてください。片方に重いものを吊るすと、反対側の棒を長くしないと釣り合わないでしょう? これが1%の富裕層と99%の貧乏人という構図。


富裕層の金というのは、要するに大衆から巻き上げたものなのね。富裕層はこの金をさらに次の投資に振り向けるわけだけど、その産業で生じる雇用の賃金は、リターンを追求したら当然低く据え置かれるわけだ。
すると、投資家は肥え太るばっかりになり、一方、大衆は雇用が不安定になり、収入も減り、生活がどんどん苦しくなる。そこで消費が鈍る。これが経済の縮小をもたらして行くわけね。


「世界経済の危機」っていうけど、結局それを誰がもたらしたかと言えば、金融機関と政府ですよ。
金融機関と政府と富裕者と御用学者(竹中平蔵のような)がグルになって、大衆を奴隷にして働かせ、金を巻き上げている。そして金融機関が不良債権で破綻しそうになると、政府の金(つまり大衆から巻き上げた税金、および次の世代に押し付けた借金)で救済してしまう。早い話が、連中は詐欺師ですわ。


これを80年代以降繰り返して来たことが「世界経済の危機」の本質なんですよ。
ノーベル賞学者に訊くより、あたしに訊け! って。
ま、そんあことあり得ないか。


ジョセフ・スティグリッツ教授が仰る。
「労働の需給バランスがこれほど崩れることはあってはならない」
私はこれに賛同する。
経済学者は、経済のことを先ず「金」で考えるのだけれど、「労働」で考えるべきだ、というのが私の持論。でもどういうわけだか、経済学者はみんなそこを頬被りしてしまう。労働したことないのかな?


さて最後に、ジョセフ・スティグリッツ教授がインタビューワーの次の質問に何と答えたか。
日本経済が低迷している原因については、
アメリカを追随した代償です!」だって。
それで、景気を刺激するには? については、
景気を刺激する特効薬などない!」だってさ。

知の巨人2

まあ正直でいいけど。経済学者って、何か役に立つの?
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