LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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日本がなぜこれほどまでアメリカ追随の政策を続けるのか、という素朴な疑問を調べていくうちに、その裏にはもっと深い闇があるらしいことが判ってきた。自分は専門家ではないので、それについて言及することは現時点では控えるが、アメリカ大統領がオバマに変わり、ブッシュ政権時代の数々の悪行に対し思い切ったメスが入れられるような事態になれば、その闇は暴かれて、やがて火の粉が日本にも降り掛かることになるだろう。

昨秋以降全世界を襲った経済危機により、新自由主義者たちの旗色は悪くなっているが、自分たちの地位保全のために、彼らは従来の主張をさらに強めている。1月31日の産経新聞で、竹中平蔵氏は「グローバル化の中で、世界に日本が統合されていると認識するのが正しい」「金融かものづくりかという対立概念ではなく、ものづくりを強くするためにも金融に強くなってもらわないといけない」「(日本は)規制が多すぎる」「法人税が高すぎる」「東京大学の民営化が日本の教育改革の突破口になる」など従来の主張を繰り返している。

そうした中で、自民党の尾辻秀久参院議員会長が、30日の参院本会議の代表質問で「政府の経済財政諮問会議が唱えてきた市場原理主義は間違いだった。規制改革会議も、多くの人を失業に追い込んだ。両会議を廃止すべきだ!」と述べ、物議をかもしたという。自民党はもはや泥舟であり、次の選挙で沈むことはほぼ間違いがないのだから、選挙民の支持を取り付けるためにも、こうした発言は今後自民党内にも増えていくことだろう。

前回、アメリカの『年次改革要望書』のことを少し書いた。日本の規制緩和が、この要望どおりに進められていることが明らかになったのは、2004年に刊行された関岡英之氏の著書『拒否できない日本』からである。これは当時も、そして今もアメリカ大使館のホームページに公式文書として掲載されている。ところが、関岡英之氏や野中広務氏の証言によれば、この文書の存在を当時、政府与党ですら不勉強で知らなかったというのである。

そこに関岡氏の本が出版され、「これは大変だ」と、そこで初めて自民党内若手の勉強会に関岡氏が呼ばれ講演をしたというのである。野中広務氏の証言では、「郵政民営化」が大きな議論になってからしばらくしてこの文書の存在を知ったというのである。驚くべきというか、俄かには信じられないような呆れた話である。これは一体どういうことを意味しているのだろうか。規制緩和のシナリオが、立法府骨抜きのもとに官僚によって着々と創られていったということに他ならない。

しかし考えてみればこれは奇妙だ。官僚は規制を握っている。その官僚が、自民党よりもアメリカの方を向いて規制緩和を推進していたという事実は、不思議に思える。しかし、官僚たちが「官から民へ」への流れは避けられないと早くから認識していたとすれば、裏で天下り先の確保を用意周到に図ることで、それに事前に対応しようとしたのではないだろうか。「官から民へ」の受け皿を自分たちであらかじめつくっておけば、役人をしていたときよりも、ずっと大きな金を後で手にすることができる。このことに、国民が騙され、捨て置かれてしまったのではないだろうか。私はそう推測する。

そして今回調べてみて、アメリカの戦略に従って“広告塔”として動く人物が日本国内に多数おり、こうした人々を「domestic allies(国内の同盟者)」と呼ぶことも知った。1989年の『日米構造協議』(英語では、Structural Impediments Initiative。これは<構造的な障壁を米国が主導権をとって撤廃していく>という意味であり、『日米構造協議』は意図的な誤訳、との説もある)では、まず大規模小売店舗法の規制緩和が検討され、92年の『トイザらス』日本2号店オープン時には、わざわざパパ・ブッシュ大統領が視察に訪れ、非関税障壁打破の象徴として当時のメディアを賑わせた。

この時には、「消費者利益」や「日米価格差」といった文言が強調され、日本側のメリットが大いに喧伝されたのであるが、これは、米国が相手の国に何かを要求するときに活用する「トロイの木馬」戦術だったというのである。この「トロイの木馬」戦術とは、日本国内で米国と利害が一致する著名人なり団体なりを見つけ出し、米国の要求を「日本の必要」として日本人に代弁させる作戦を言うのだそうだ。その“広告塔”が「ドメスティック・アライズ」である。さしずめT氏などはこの最右翼だと思われる。そう考えると、この人の言動がやっと理解できるのだ。

しかし、日本人の一部はもう気づき始めている。アメリカ追随政策の果てにあるものを。グローバル・スタンダードはアメリカン・スタンダードであったことを。世界恐慌は、1929年に続き、今回もまたアメリカ発であったことを。雇用自由化の結果、日本を大量の失業者が生まれるアメリカ型社会にしてしまったことを。日本の健康保険医療制度を崩壊させ、米国資本の民間医療保険にスイッチさせようと画策していたことを。建国以来、アメリカの外交は一貫して砲艦外交であり、世界中でいちばん好戦的な国はアメリカであることを。

そして、日本経団連が、なぜかくも労働者に冷淡なのかも解ったのである。以下をご覧頂きたい。

キヤノン47.3% 三菱UFJ銀行33.7% 三井住友銀行39.4% 新生銀行73.3% 武田薬品43.7% 花王49.5% HOYA54.3% ローム51.6% 富士フイルム51.1% 塩野義製薬41.5% アステラス製薬47.3% TDK44.6% ソニー50.1% ヒロセ電機39.3% メイテック44.1% コマツ35.6% 東京エレクトロン49.8% SMC49.3% 任天堂41.1% 村田製作所37.8% パイオニア37.8% 小野薬品35.0% エーザイ33.6% 日立製作所39.5% 三菱地所38.3% 三井不動産45.0% 大和證券37.1% 野村證券43.6% セコム43.3% 栗田工業37.3% 第一三共32.3% コニカミノルタ41.4% リコー39.0% 参天製薬36.3% コナミ30.0% 日東電工55.9% 信越化学36.3% ヤマト運輸31.2% JR東日本30.6% KDDI31.4% 三井化学29.7% 積水化学33.6% 日産自動車66.7% ホンダ35.5% スズキ35.7% ヤマハ発動機31.9% 京セラ34.8% 東京ガス32.7% オリンパス34.7% 大日本印刷34.2% NEC29.3%(共同通信 2007/10/31)

これは日本の著名企業の、外資持ち株比率である。経団連会長である御手洗氏のキヤノンは一時期、外資比率が50%を超えたこともある。
要するに「日本経団連」はもはや日本経団連ではない、ということなのだ。実態はすでに「外資経団連」だったのである。労働分配率(企業が生み出す付加価値に対する人件費の割合)の推移が、2000年以降、中堅中小企業は横這いであったのに対し、大企業は1998年をピークに10ポイント以上も低下しているのだ。実感なき景気回復は、実は外資に儲けを吸い上げられるという構造の中で起こっていたのである。
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