LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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ネットサーフィンしていて、こういう映像を見つけたのである。
安部公房渡邊格 対談『物質・生命・精神・そしてX』1982年



今から29年前である。
冒頭、安部公房さんちのワープロが写され、これに度肝を抜かれたのだが、「ああそういえば」と思い出した。
小生がいちばん最初に使ったワープロがシャープの書院で、やっぱり緑色の文字が浮かぶモニターだった。
ディスクは、ソノシートみたいなぺらぺらで、確か紙に入っていたと思う。
あれから、すっげー進歩したのね。82年当時には想像だにしなかったSF世界に我々は生きているわけですね。


さてこの映像を見て、安部公房氏の知性を深く感じたのであった。
当時の小生は、今もバカだが、もっとバカだったことと、生活苦で追いつめられていたので(体重49キロ)、文学などに目を向ける余裕はなかった。
でもこれから純文学を読んでみよっかなーという気になった。


この対談の中で、安部公房氏は、動物行動学者コンラッド・ローレンツ氏(小鳥さんの「刷り込み=inprinting」を発見した人ね)の「なわばり」に関する理論をひいて、国家に対する絶望を語る。
安部公房氏は言う。


「なわばり」ができることによって、なわばりを支配する者が「被支配層を拘束」する。そして拘束される側が持たされることになる「忠誠心」、これらを「モラル」と言っているが、そうではないのではないか?
「なわばり」が動物行動学的に、本能に基づくものであるのなら、「忠誠心」も、もっと原初的な、遺伝子に刷り込まれた行動様式なのではないか。
「なわばり」のBand(群れ)を拡大したものが国家であり、そうである以上、民主主義に絶望するしかない。


と、まあ、小生の理解力では、そういうふうに聞こえました。(間違っているかもしれないけど)
この「忠誠心」ということに関しては、小生も前々から疑問に思っていたのだ。
それは、戦国時代劇を見た時に、なんで「親方さま~ぁ」とかいう家臣がいっぱい出て来るのだろうか、と。
なんで、自分が大将になろうとは思わないのか、と。(ま、今で言えば、起業家精神ですな)
結局、サラリーマン組織というのは、「かしずく美学」に支えられているんだ。
明智光秀だってさぁ、起業独立しようとしたけど、失敗しちゃったよね、やっぱりサラリーマンでいる方が楽だよね。
って文脈になんとなくなっているでしょう。


このことを、以前、ある女性起業家の人に話をしたら、びっくりされたのだ。
「そうか。男には『かしずく美学』ってものがあるのね。言われて初めて気がついた。女にはそういうものはないわ」
女には「忠誠心」はない、と言うのである。
それどころか、かしずくことを「美学」にしてしまう男を、その女性は鼻でせせら嗤ったのである。
僕はそれを、極めて健全だと思った。
組織に忠誠心なんかもってどうする! さすが女はエライ!
男はバカばかりだ!
ところが、最近は女も男化して、「忠誠心」を持つ女が出始めたので恐ろしい。
女たちには、頼むから「忠誠心」を持たないで欲しい。それが防波堤になるのかもしれないのだから。


で、話を安部公房氏に戻すと、もう一方で、
絶望はしているのだが、「言葉」には人を動かす力がある。
いちど「言葉」に気づかされた者は、もう元に戻ることはできない。
そこにかすかな希望がある。だからこそ、「言葉」を持った人間は、沈黙してはいけないという義務がある。
と言う。


ここで、「なるほど」と唸ったのは、安部公房氏が「音楽」ではダメだ、と言ったことである。
その理由として、ナチスはアウシュビッツで音楽をかけながら人を殺した、と言う。(この描写は確か、スピルバーグの『シンドラーのリスト』の中にありましたね。クラシックをかけながら人殺ししていくシーン)
結局、音楽もサーカスってことなんだよね。(パンとサーカスという意味での)
いやまてよ、そういう言い方は正しくないな。音楽は言葉がいらないし、深い精神性を持ったものだけど、聴く方が勝手に「サーカス」にしてしまえる、というところが問題なのかな?
だけど、「言葉」には、大衆にはウケないという欠点があるんだ。
難しいね。やっぱり、絶望しかないのかな?
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