LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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NHK BS1で『dear hiroshima』というドキュメンタリーと、関連討論番組の『dear hiroshimaをみて』を見ました。
『dear hiroshima』は、素材が優れていれば、どのように撮っても良いドキュメンタリーになるという典型のような作品で、なんといっても写真家石内都さんが撮った、広島で被爆して亡くなった少年少女たちの遺品が圧倒的でした。


ドキュメンタリーは、カナダのバンクーバーで開かれたこの石内都さんの写真展を追ったもので、こういうアプローチでもドキュメンタリーになるのか、とちょっと意表を突かれました。
監督は、日本生まれで日本育ちのアメリカ人女性、リンダ・ホーグランドさんです。


石内都さんの写真は、広島の原爆資料館に保管されている遺品を撮っただけの(と言っても、もちろん計算し尽くしているわけですが)撮影用語で言えば「ブツ撮り」作品です。
がしかし、見る方は、どうしてもそれを身につけていたであろう今は亡き人物のことを想像せざるを得ないのです。


これには凄いものがあります。写真そのものよりも、それを見ている側の想像力が何倍にも膨らんでしまう。
そういうスイッチが入ってしまうのです。
自分の大きな想像力が加わることでやっと一枚の写真が完成する、といった趣です。


芸術作品は多かれ少なかれそういう面を持っているわけですが、この写真ほど、見ている側の想像力が大きく膨らむ作品はそうそうないでしょうね。
このことは、欧米人に原爆の悲劇のまことを知ってもらう上で、大きな力を果たすだろうと思いました。


人種や国籍がたとえ違っていても、イマジネーションを掻き立てられない人はいないのではないでしょうか? 頭が洗脳されていても、自分の想像力の方が、きっと打ち勝つだろうと思うのです。
そういう意味で、着想は秀逸ですし、それをまたドキュメンタリーにしたことも大いに意義があることだと思います。


『dear hiroshimaをみて』は、監督のリンダ・ホーグランドさん、石内都さん、それに広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさん、そして作家の田口ランディさんの四人による討論番組です。
この中で興味深かったのは、「アメリカの感覚麻痺」と「グラウンド・ゼロ」に関する発言でした。


「アメリカの感覚麻痺」について、先ずスティーブン・リーパーさんがこう発言します。
「『僕らは善、あの人たちは悪だから、世の中をよくするためには善の人が悪の人を殺せばいい』そういう考えで(アメリカでは)たくさんの人が今でも動いている。アメリカ人は人の痛みを無視するという能力は特に発達している。全世界でいろんな人に本当に苦しみを与えている国なのに、それを無視するように教えられる。」


それに対して、リンダ・ホーグランドさんがこう付け加えます。
「無視するには特殊な心理的な操作が必要であって、それはアメリカが最も得意としている特権、アメリカ人が誰よりも優れていて、誰よりも偉くて、アメリカ人が決めた民主主義と自由はGoodで、それ以外のものはBad。そういうアメリカの心理的な幼稚化みたいなものはどんどん進んでいると思う。」と。


「グラウンド・ゼロ」問題については、たぶん日本人でも知らない人が大勢いるのではないでしょうか。
リンダ・ホーグランドさんは「9.11に関しては私はショックではなかったが、その翌日から、貿易センタービルの跡地を『グラウンド・ゼロ』と呼んだことにはびっくりした」と言います。


「グラウンド・ゼロ」は、もともとはネバダ州砂漠で世界初の核実験が行われたときにその爆心地に対して付けられた名称です。
これが転じて、広島、長崎の原爆爆心地も「グラウンド・ゼロ」と呼ばれるようになったのです。


ところが9.11の直後、この「グラウンド・ゼロ」を貿易センタービル跡地に対し意図的に使うことにより、広島、長崎の痛みをマスキングする一方、「グラウンド・ゼロ」=「アメリカ人が抱く9.11の痛み」にすり替えがなされたのです。


今、跡地はメモリアル施設になっていて、そこでは9.11の犠牲者の遺族が「グラウンド・ゼロ」についての説明をボランティアで行っています。
9.11がアメリカの自作自演であったことは、たくさんの証拠によりもはや自明であるのに、その犠牲者の遺族を愛国者に仕立て上げてしまうアメリカ。


リンダ・ホーグランドさんが言うように、このドキュメンタリーを見たアメリカ人が、少しでも気づいてくれたらいいのにな、と思いました。
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