LOTUS STUDIO BLOG
これから何が起こるか。我々は何をすればよいのか。
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西松建設の政治献金疑惑によって、政界は混乱の極みに達している。民主党小沢代表秘書の逮捕劇が、民主党の言うように「謀略」であったかどうかは定かではないが、<なぜこのタイミングに>と考えると、日本の政治は落ちるところまで落ちるしかないのか、という気がしてくる。

麻生首相のホワイトハウス訪問も、米国メディアは殆ど無視だったと言うし、クリントン国務長官がアジアで最初に日本を訪れたということを政府やメディアは胸を張って語ったけれども、米国の関心事が日本の「金」にあることはミエミエだ。

麻生首相は、判で押したように「未曾有の経済危機」「景気回復最優先」と言うが、<はて、現実に何をしているのか?>と考えると、政治全体が機能不全に陥っている姿しか一向に見えてこない。政界再編はこれから間違いなく起こるだろうが、何も本質的な議論や行動を伴わないまま、スキャンダルとボケと機能不全だけが進行しそうで、この先とても怖い。

そもそも「景気対策」といっても、マクロで見れば国がやれる施策は、公共投資か、金利引き下げか、減税しかない。ところが、金利はすでに下げようもないところまで下がったままだし、減税すれば国の収入が減る。かといって公共投資はいま評判が悪いし、更なる財政赤字を増やすことになる。ということで、最初から打つ手がないのである。

だから、麻生さんの言う「景気回復最優先」は、自分には単なる掛け声にしか聞こえない。そこで出てきたのが「定額給付金」制度という愚作である。麻生さんは最近、妙なことを言った。「定額給付金」の目的が当初の生活支援から景気刺激策に変わった、というのである。

どうやらこれは、最初「貰わない」と言っていた給付金を、「貰う」に変えた際のエクスキューズとして捻り出した言葉らしいのだが、「生活支援」も「景気刺激策」も、同じ行為を視点を替えて言ったに過ぎない。麻生さんは会社経営の経験もあって経済通ということになっていたのだが、本当だろうか、という気がしてくる。

「定額給付金」制度がなぜ愚作かというと、現実の「消費」がどのような状況で起こるか、に関して全くリアリティを持っていないからである。2兆円をバラ撒けば、2兆円の消費が積み増しされると考えるのは、マクロ経済上の机上の空論に過ぎない。(経済専門家も効果は「限定的」としており、かなり差はあるが2割~6割程度と言われている)

ミクロで考えた場合の「消費」には、こういう原則がある。<時の消費は、未来(ざっくり半年後と考えてよい)の収入への予感で決まる> つまり、未来に収入が増えると予感すれば、それに先行して財布の紐が緩み、逆に収入が減ると予感すれば、実際に収入が減る前から財布の紐はギュッと閉じられてしまう傾向があるのだ。

リーマンショック後、輸出産業への大打撃が伝えられると、あっという間に国内消費も縮み上がってしまった。日本のGDPに占める輸出額の割合は16%、製造業全体で見てもその割合は24%程度である。ところがニュース報道のアナウンス効果によって、自分の収入が現実的に減る前に、いち早く「節約」と「買い控え」いう防備を、一般消費者が固めてしまったのである。

では、「定額給付金」が支給されるころには、明るい未来が見えているのだろうか? あり得ない。1万2千円ないし2万円を貰って「即使うぞ」という人は、生活にかなり余裕のある人か、逆にその日暮らしの人である。大多数の人は、今月の家計、来月の家計を考えながら消費をしている。

だから「定額給付金」の多くは、消費を底上げすることにはなり得ず、日常消費に組み込まれてしまうか、貯蓄に回されてしまう可能性が非常に高いのだ。そしてこのことは、前に一度、小渕政権時代の地域振興券での失敗で、経験済みなのである。

「定額給付金」は「減税」の変形なのだから、それに庶民が反対するというのはおかしい、と言うマクロ経済学者がいる。しかしこれも、<時の消費は、未来の収入への予感で決まる>という原則に照らし合わせてみれば、「おかしい」という学者の方がおかしいことが、すぐに解るであろう。1万2千円の一時支給には、継続的な減税とは違って、明るい「未来」は見えない。それどころか、麻生さんは将来の増税を約束しているのである。

「定額給付金」に反対する人たちの中には、「どうせなら、そのお金を雇用対策につぎ込むべきだ」という声が結構多かったが、これなどは政府の決定よりも、ずっと的を得ている話だと思う。なぜなら、そこには「未来」への希望が多少なりともあるからだ。明るい「未来」への予感なしに、消費が上向くことはあり得ないのだ。

米国の住宅バブルも、実は明るい「未来」への予感から起こったことなのである。
ただし、その明るい「未来」は、詐欺的な幻想に過ぎなかったのだが‥‥。

私個人的には、今は国が借金を増やしても、公共投資を行うしかないだろうと思っている。ただし、「省エネ」や「環境保護」や「一次産業再生」や「教育再生」や「介護福祉」や「医療現場再生」や「雇用回復」などの、これからの未来にとって必要欠くべからざる分野に集中する。そのようにして、未来に明るい希望を見せるしかないだろう。

トップのリーダーがやるべきことはそれだと思う。米国のオバマ大統領は、演説で力強くそれを語った。この先うまく行くかどうかは解らないが、しかしそう語るしか、今はない。

しかるに日本は‥‥。そう考えると頭が痛くなる。日本のトップは、「先進国の中では、日本は金融へのマイナスの影響は少ない」などと言っているが、しかし「傷は浅い」という思い込みが、逆に今必要な中長期的ビジョンに立った思い切った行動を鈍らせているのではないだろうか?

その陰で、官僚たちは早くも「グリーン」とか「エコ」に的を絞った天下り先の用意を着々と進めているという。いやはや。やはり日本は、このまま立ち枯れるしかないのだろうか。
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このコーナーでは、時事の話題に触れながら、意見、雑感等を不定期に発信してまいります。

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